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11月, 2012の投稿を表示しています

アナログレコードでリリースされる新譜の役割

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前エントリ の続きです。 ■アナログレコードでリリースされる新譜の役割 今年のニュース記事で「 レコードの生産量が○○%アップ! 」と良く見かけましたが、あれは数字のトリック(元々の母数が少ないため、すごく増えたように見える)であって、私はレコードが「音楽産業の救世主」になるとは思っていません。 ただ、アナログ盤という古くて新しい媒体に目覚めた若い人たちにとってはレコードは重要なフックとなるであろうし、私みたいな以前からのレコード愛好家のインディポップリスナーにとっても新譜を買うキッカケになっています。 ■今後の生産体制が心配 アナログを生産できる業者自体も世界的に減少傾向(日本では 1社 のみ!)です。 今後はリスナーやレーベルが「アナログで出したい」と思っても、生産設備自体が無くなったり、カッティングエンジニアが辞めたりと、そちら方面の問題も徐々に出てくるのでは?と思っています。 あと、安価で機器を提供してくれたテクニクスもターンテーブル生産から撤退してしまいましたし…。 在庫が潤沢にある中古市場は楽観的に考えていますが、新譜に限るとレコード盤での供給はまだまだ不安定ではないでしょうか。 ■関連エントリ 今号で最終号となる「レコード+CDマップ 2012-2013」  http://tmp-soda.blogspot.jp/2012/06/2012-2013.html レコード袋に夢が詰まっていた時代  http://tmp-soda.blogspot.jp/2012/06/blog-post_23.html 一度だけ聴いたけど、もう聴かないレコード達を思う  http://tmp-soda.blogspot.jp/2012/08/blog-post_20.html

2012年に買った新譜の枚数とレコードの比率

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2012年も終わりに近づいてきましたので、買ったレコードを軽く振り返ります。 今年は「例年よりコンスタントに買ったな〜」という感想です。 ■今年買った新譜の枚数 ・今年買った新譜の枚数= 39枚 昨年に比べて、倍くらい買いました。 一時期は年間で新譜は1枚も買っていなかったのに、耳が慣れてきたせいもあるのですが、数多くのアーティストに対してアンテナが反応するようになりました。 この場を借りて、色々とオススメして下さったTwitterやブログ界の皆さんに感謝。 ■レコードとCDとカセットの比率 新譜で買った内、メディア別での数量 ・レコード=27枚 ・CD=11枚 ・カセット=1本 このブログ内で何度も言及していますとおり、2012年になってもレコード盤で新譜が出るのはスゴイ事と思っています。その印象を裏付けるような比率ですね。 生産面・流通面において相当不利にも関わらず、あえてレコードリリースして、CDやMP3データとの平行販売が今年は多かったように思います。 ■関連エントリ オススメ情報で買うCDは増えていく  http://tmp-soda.blogspot.jp/2012/05/cd.html ダウンロードとパッケージが共存できる多幸感  http://tmp-soda.blogspot.jp/2011/11/blog-post_11.html 会社帰りにレコードを買ってた時期があるから  http://tmp-soda.blogspot.jp/2012/04/blog-post.html

死ぬまでに聴きたいアルバム1001枚

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死ぬまでに聴きたいアルバム1001枚 (2008) 定価 5500円 で す よ。 厚み6cm、960ページで辞典以上の大ボリューム。 自分では買えないので、数年前にプレゼントとして頂いた本です。 ■内容 -Amazon紹介文より引用 音楽業界のさまざまなジャンル―ロックやポップスだけでなく、ロックン・ロール、ジャズ、ファンク、パンク、ディスコやソウル、ヒップ・ホップ、実験音楽やワールド・ミュージック、ダンス・ミュージックなど―のさまざまな場面で活躍する人々についての情報も掲載。 アルバムの詳しい情報と、深い洞察、トリビアも満載。カルトや無名アーティストからメインストリームの人気バンドまで、音楽文化のすべてを幅広くカバー。 ■有名だけど聴いたこと無い パラパラとめくるだけでも楽しいんですよ、この手のボリュームのあるガイド本。サクっと閲覧できる資料としても利用できますし(実際、本は重いけど)。 50年代~00年代まで、比較的有名盤ばかり掲載されています。だから、音楽好きなリスナーなら「ああ~名前だけなら聞いたことあるな」という盤があちらこちらに見られます。 ■実践:この本の使い方 ①本を手に取る ②目をつむって、適当なページを開く ③そのページに掲載されたCDで、持ってない(or聴いたことない)ものを探す ④そのCDを中古で安く買う。(Amazonでも、ブクオフでも、ヤフオクでも…) ⑤3ヶ月に一度、この作業を行う そうすると…「絶対自分からは積極的に買わないであろう」定番CDを聴くことが出来るんですね。 あと、自然と聴かず嫌いを克服できて、古いアーティストの音楽知識も溜まっていくというメリットもあります。 最近は公共図書館にもこの本置いてありますので、興味ある方は是非一読を。

音楽評論に関して「年寄りとか若者の感覚」とか

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Xanadu Music and Books / ilovememphis 音楽評論に関して「年寄りとか若者の感覚」とか、「ある層に寄り添わないといけないセンス」、それと…ざっくり言って「世代論」って必要なのかな?と疑問に感じたので、メモを。 某ミュージックマガジン該当の記事を全く読んでないので、特に取り上げる必要無いですが…詩野さん、これからも頑張ってください。 勘違いかあ。 RT @ shit_pie : 岡村詩野は何もかもを勘違いしている。 RT @ johnnys_pants ミュージックマガジン、80年代生まれのいま二十代の最初から諦めた世代の絶望も希望もない感が中年のノンポリ感とリンクして気持ちいいとかさすがに俺らのこと舐め過ぎだろ — shino okamura/岡村詩野さん (@shino_okamura) 11月 26, 2012 ぜひご一読ください。たぶん、私が彼らの世代には不要な存在なのだということは間違いないのでしょう。ユース・カルチャーに関わり続けるって難しいですね。 RT @ hujinhuku : 勘違い?どっちが?。しのさんの文章、読もう。 — shino okamura/岡村詩野さん (@shino_okamura) 11月 26, 2012 ご本人も議論を望まないようですし、気になる人は記事を読んで、そして考察は各自の宿題へ…となりそうです。 分かりきった事かもしれませんが、ライターに思いが直接届くTwitterって、発信する側も受け手も諸刃ですね。 もちろん、そのやり取りを見ている周りの音楽ファンにとっても。 @ shino_okamura あほなことを。これから老害としてガンガン前に出て若いライターの仕事とかも全部奪うんです! それでこそロック。 — 野間易通さん (@kdxn) 11月 26, 2012 【追記】2012.11.27 (想定通り)トゥギャられていましたので、興味のある方はどうぞ。 ミュージックマガジン12月号『特集:新たな東京の音楽』を巡る音楽ライターの皆様のやり取り - Togetter  http://togetter.com/li/413652

ブログ更新がなかなか出来ない日々

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ここ一ヶ月ばかり、公私共に忙しくコンスタントにブログ更新できておりません。 家ではほとんどPC前に向かえないし、休みの日となるとTwitterのTLすら見ていないという状態です。 とりあえず情報収集程度に、家では15分ほどですがPCを触るくらいにしております。21時台のツイートはbufferというWebサービスで自動投稿していますので、その時間ですらPCの前には居ないという…笑。 気持ちに余裕が無いせいもあるのですが、レコードもほとんど聴けてないんですよね。 こういうときは気分を盛り上げるために、無理してレコード聴くほどでも無いんですが。ジャズあたりを少々聴く程度にとどめております。 以上、近況まで。

Heavenly beat「Talent」:ジャンルをクロスオーバーしたラウンジ感

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Heavenly beat / Talent (2012,LP) それにしてもフレッドペリー・ライクなピンクジャケは、2012年の中でも良いデザイン。 John Penaが所属するBeach Fossilsというバンド自体知らないのですが、インディファン周辺では期待値の高かったデビューアルバム。 全編を通して浮遊感のあるシンセが特徴的。 エレクトロビート一辺倒ではなく、アコースティックギターやピアノでアレンジされたその曲調は、昨今のシンセポップというよりラウンジ方向に片足入ってます。 そよそよと風に揺らぐようなメロディはインディポップファンだけでなく、クロスオーバーして色々聴いてるファンにこそウケが良さそうな広い間口を感じます。 (補足) アナログ盤には「DLコード封入」と書いてあるんだけど、自分のには入ってなかった…orz こんな事はいままで初めてです(誰か救いの手を笑)

For tracy hyde:日本語歌詞のユースウェーヴを君に捧げよう

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For tracy hyde / Juniper and Lamplight (2012,Didital) 渋谷系〜90'sギターポップシーンを解釈して、現代流にトレースしてくれる希有な宅録ユニット、Suga氏(ex.Daydrop)によるインディユニット。 Boyshとの スプリットEP を経てリリースされたミニアルバムはbandcampにて。 イントロから胸キュンな「First Regrets」。 サビのフレーズも素晴らしいけど、油断してたらマンチェライクなドラムパターンに悶絶するという絶品。この曲すごい。 First Regrets by For Tracy Hyde 「十七年の微睡み」、暗い道のりを歩き出すような幻想的なギター&コーラス。この切なさ…初期エスカレーターレコーズを思い出す。 十七年の微睡み by For Tracy Hyde 彼のギターポップ〜ドリームポップ〜シューゲイザーのメロディセンスは元々から好印象です。その安定感プラス、日本語歌詞を乗せて届けてくるユニットって珍しいので、個人的にはこの方向で進んで欲しいと密かに期待してます…。 合い言葉は「File Under: Youthwave!」 --- Juniper And Lamplight | Canata Records  http://shortcakecollagetape.bandcamp.com/album/juniper-and-lamplight ---

年末に向けて買う予定のもの、気になってるもの BMX bandits、Garlands

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そろそろ2012年締めの時期になってきましたが、まだまだ良盤が待ち構えているようです。 今後買う予定のものをピックアップ。 ・BMX bandits / Space 久しぶりの新譜です。アナログ盤も出るし、日本盤(しかもデシネから)も出ます! ・Garlands / ST アノラックテイスト溢れるインディバンド。デビューアルバム、Shelflifeより。 ・Andre Solomko / Où es​-​tu maintenant? 素晴らしい北欧のアーバン・メロウ!なんとアナログもCDも日本に入ります。 ・Twee Grrrls Club / Indie Pop Lesson (book) Indie Popをはじめ、ファンッション、カルチャーを紹介するユニット「Twee Grrrls Club」がディスクガイド本を出すようです。しかも、DLコード付きで音源も含めて楽しめそうです。 ■参考記事 BMXバンディッツ 5年ぶりの新作『In Space』を発売、「Listen To Some Music」が試聴可 - amass  http://amass.jp/11984 スウェーデン、ストックホルム出身のインディ・ポップバンド、The Garlandsが11月27日にデビュー・アルバムをリリース » UNCANNY  http://uncanny.jp/posts/1647 Andre Solomko - Où es​-​tu maintenant ? | Here,play pop!  http://www.playpop.org/article/300683073.html Our First Book "Indie Pop Lesson" will release on 12th December!!!!  http://tweegrrrlsclub.blogspot.jp/2012/11/our-first-book-indie-pop-lesson-will.html

2012年のオリコンチャートを眺めながら

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Eskuche Headphones from Urban Outfitters / Vancour 某オリコン観測ブログにて、今年のオリコンチャート(シングル部門)が暫定計測中ですが掲載されていましたので、雑感を。 --- 2012年 オリコン年間シングルランキング 44週目時点の暫定順位速報 : The Natsu Style - オリコン&音楽ランキング分析  http://www.tnsori.com/archives/51932863.html --- 各所にて、アイドルグループがチャート寡占する状態を嘆いていたり、音楽業界オワタと見られる方がおられますが、この状態は何かのヒントにならないでしょうか?(逆張りの思考は大切です) また、今年のチャートだけを眺めて悲観するのはどうかと思いますので、 「では10年前なら?遡って20年前のチャートは?」などと比較する必要があると思います。興味のある方は参照を。 --- 2000年シングルヒットチャートTop100 【PRiVATE LiFE】年間ランキング http://entamedata.web.fc2.com/music/music2000.html 1990年シングルヒットチャートTop100 【PRiVATE LiFE】年間ランキング http://entamedata.web.fc2.com/music/music1990.html (ちなみに、2012年上半期はオフィシャルサイトにて) 上半期ランキング特集『AKB48とMr.Childrenが1、2位独占!上半期の音楽シーンを振り返る』-ORICON STYLE ミュージック http://www.oricon.co.jp/music/special/2012/musicrank0620/index01.html --- 「一定数の固定客が付いている」ので普通に考えてみますと、かなり良い状態だと思います。前向きに考えてみて。 この流れの速い時代においてリピーターが多いのはファンを飽きさせないコンテンツの量産とか、つながり(笑)において、企画とかアプローチが勝ってると思うのです。 ぜひこの辺りにつきましては、インディ~ギターポップ界隈(というのがあるのか無いのか)は真似してみるのも手ではない

Twee Grrrls Clubが「Indie Pop Lesson」というガイド本を出すときいて

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Indie Popをはじめ、ファンッション、カルチャーを紹介するユニット「 Twee Grrrls Club 」がガイド本を出すようです。 ---   Our First Book "Indie Pop Lesson" will release on 12th December!!!!  http://tweegrrrlsclub.blogspot.jp/2012/11/our-first-book-indie-pop-lesson-will.html [引用]ディスクガイド部分だけでなく、インディ・カルチャーを紹介するコラムページ、 12アーティストの楽曲をダウンロードできるクーポンがついています。 (収録アーティストはThe Pains Of Being Pure At Heart、Summer Twins、Catwalk、Sloppy Joe、Wallflower、Northern Portrait、The Proper Ornamentsなど) --- 【TGC】私たちの活動を総括するディスクガイド・ブック ”Indie Pop Lesson"を12/12に発売します!私たちの大好きが詰まったこの本を是非皆様にも読んでいただけたら嬉しいです。素敵な方々にご参加いただけてとても幸せです! tweegrrrlsclub.blogspot.jp/2012/11/our-fi… — sumire tayaさん (@tweegrrrlsclub) 11月 6, 2012 「DLコード付き」という形態が、斬新を通り越して今や当たり前の仕様になってきているのですが、それを実行する行動力。 そしてJPNネオアコの Sloppy Joe や、新世代インディ Wallflower の新曲を収録できる彼女たちの人脈・セレクト眼には拍手です。 この「インディ・ポップ・レッスン」に付くダウンロードコンピレーションが豪華。Sloppy Joe も新曲です。泣き名曲なのでぜひ...! — satomi*さん (@rhythmwaves) 11月 6, 2012 みなさん是非! RT @ rhythmwaves : この「インディ・ポップ・レッスン」に付くダウンロードコンピレーションが豪華。Slopp

Moscow club「Fahrenheit 451」:カクテル光線映えるディスコティーク・サウンド

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Moscow club / Fahrenheit 451 (2012,Digital) ギターがメチャカッコいい。 JPNインディユニット、Moscow clubの新譜はSound cloudにて。 カクテル光線映えるディスコティーク。 太いベースラインと、踊るシンセエフェクト音。 前作の「 sanatorium 」の様な哀愁メロディももちろん良いけど、この手のギラギラしたサウンド…嫌いじゃないです。 ■参考 Fahrenheit 451 by wearemoscowclub on SoundCloud http://soundcloud.com/wearemoscowclub/fahrenheit-451 moscow club: möscow çlub - Fahrenheit 451  http://wearemoscowclub.blogspot.jp/2012/11/moscow-club-fahrenheit-451.html

ファンジンPopability! vol.3:バックヤードからインディキッズの演奏が聞こえてくる

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Popability! vol.3 (2012,Fanzine) 【PLAY POP! SPIN POP!】を合言葉に快走を続けるインディポップファンジン「Popability!」。 vol.3となる今号は、「Sarahレーベルカバー特集」が特別付録CDとして付き、限定販売されました。 ほう!RT @ ccnd_kichijoji : 「POPABILITY」付録CD-R、どんな内容かというと…wallflowerやfandazeなど今後注目の新世代インディーポップバンド達によるsarahレーベル楽曲のカヴァー集、 twitter.com/ccnd_kichijoji… — よしのぶさん (@tmp_soda_rec) 10月 17, 2012 ■付録のCDがものすごい 現在進行形のインディキッズが、アーティスト名だけでもゾクゾクするようなSarahの名曲群をカヴァーしています。 ・Wallflower →「Brighter / Does love last foever」 ・the Moments →「the Sea urchins / Summershine」 ・It happens →「the Springfields / Tommorrow ends today」 ・Lilacs →「Heavenly / Cool guitar boy」 ・Fandaze →「Field mice / Emma's house」 (バンド→「カバーアーティスト/タイトル」) ■気になる音源はWebで聴けるよ ファンジン作製者のKubo氏が主宰する「Sarahry Records」のbandcampサイトにて視聴できます。下記プレーヤーか、該当サイトにて。 --- Sarahry Records http://sarahryrecords.bandcamp.com/ --- Backyard Party in Popability! by Sarahry Records ■欲しい方は下記イベントにて(増版予定があるらしい) 下記イベントにて、少量ですが増版で販売予定があるそうです。 今回のファンジンvol.3の収益は、全てSarahry Recordsのインディキッズ活動に充てられるそ

Wild nothing「Nocturne」:玄人好みなポストパンクのさらに先へ

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Wild nothing / Nocturne (2012,LP) 意外と玄人好みなメロディ? "ドリームポップ"と表現するには少し抵抗もあり、しかし"ギターポップ"とは言い切れない…。EPでもリリースされた「Shadow」を聴いた第一印象でした。 Jack TatumのソロプロジェクトWild nothing、この2ndアルバムが初聴きとなりました。サウンドの第一印象でUKと思ったら、USヴァージニア出身(後にブルックリンへ)だったんですね。 アルバム全体に漂う一種のダーク加減が、ポストパンク〜ネオアコを下地にしたような独特の雰囲気になってます。浮遊するシンセメロディ「Paradise」は特に、アルバムの方向性を象徴している感じがします。 ジャケットがStone roses風なのはオマージュ? インタビュー記事( 参照 )でも触れられていたthe Go-betweens、Stone roses、Pulpあたりの彼の嗜好…存分に味わえます。多くの方が「2012年の注目盤!」として挙げるのも納得できる、そんな1枚です。